かながわのむかしばなし50選-目次 (神奈川 昔話)
「かながわのむかしばなし50選」
昭和58年(1983) 3月22日 発行
神奈川県教育庁文化財保護課 編・著
神奈川合同出版 発行
項番 | ページ | 分類 | 題名 | キーワード | 伝承地 |
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1 | 9 | 昔話 | 鳥の話 | ほととぎすと兄弟 すずめの孝行 水乞い鳥 かけすと雲 | 津久井郡 |
2 | 14 | 〃 | 古屋のムル | ムル もり 雨漏 | 秦野市、津久井郡、横浜市 |
3 | 18 | 〃 | 狼の恩返し | 佐野川村(さのがわむら) 骨 のど 兎 | 津久井郡、愛甲郡 |
4 | 22 | 〃 | 狸和尚 | 鎌倉 建長寺 山門 再建 勧進 | 鎌倉市、津久井郡 |
5 | 26 | 〃 | 蓑笠地蔵(みのかさじぞう) | 十三衛門 大雨 六地蔵 ずぶぬれ 雨ざらし 蓑と笠 手ぬぐい かます | 秦野市 |
6 | 30 | 〃 | でいだらぼっち | 大男 富士山 大山 相模川 | 相模原市 |
7 | 34 | 〃 | 浦島太郎 | 三浦 水江浦島太夫(みずのえのうらしまだゆう) 丹後 亀 竜宮 玉手箱 | 横浜市 |
8 | 38 | 〃 | すずめの唐櫃(からと) | 下今泉 鉈(なた) 鳥の話しことばが分かる | 海老名市 |
9 | 44 | 〃 | 竜宮女房 | 酒匂川(さかわがわ) 子亀 竜宮 姫 国司 ねぎ売り | 小田原市 |
10 | 48 | 〃 | 蛇女房 | 千両箱 片目 鐘の音 盲目 | 小田原市 |
11 | 52 | 〃 | 猫の踊り場 | 猫たちが頭に手ぬぐいをかぶっておどっていた | 横浜市、藤沢市、平塚市、中郡大磯町、津久井郡城山町 |
12 | 54 | 〃 | おいてけ堀 | 目久尻川 釣り | 綾瀬市 |
13 | 56 | 〃 | 八本目のたこの脚 | ばさま 八本目の脚 首にからみつき 海の中へ | 三浦郡葉山町、三浦氏 |
14 | 58 | 〃 | 黒猫ときゅうり | 東浦賀 長門橋 菊屋 船宿 塩船 船乗り 黒猫 お客さまに出すごちそうを食べようとした 船べりをひっかく 力いっぱいなぐりつけた きゅうり | 横須賀市 |
15 | 64 | 〃 | 山姥の糸車 | 丹沢 娘 糸くり車をまわしている 鉄砲 むじな | 足柄上郡山北町 |
16 | 68 | 〃 | くも女房 | ご飯を食べない娘を女房に 頭のまん中にすっぽり開いた口 つづら 金物 | 藤沢市 |
17 | 72 | 〃 | とんちの久助 | 夜なべに夜鍋 一つが食えぬ | 厚木市 |
18 | 76 | 〃 | 須賀のとんきょ話 | 大山詣 吸い出し 船が子を生んだ 豚の角 井戸掘り 大山の火事 なぐれば 落ちるときよける 歩(ふ) すいかのけんか ぶちまけ 市(いち) 春の雨には風がつきもの 夕立 | 平塚市、厚木市 |
19 | 81 | 昔話⇔伝説 | かっぱどっくり | 茅ヶ崎 お盆のうた 大山街道に名所がござる 四にかっぱどっくり かっぱの在所は間門川(まかどがわ) 夫婦のかっぱ 女房は鎌倉 亭主は間門川 赤池 葦の葉 片葉 とっくり 大きな魚が二ひき のんべえ とっくりの底の底までのもうと とっくりのしりをポンポン 酒の出ないかっぱどっくり 小屋 見世物 | 茅ヶ崎市 |
20 | 86 | 〃 | せなかの赤い蟹 | 川崎宿 久根崎 大きな寺 鐘楼 池 蟹 白鷺 池の生きもの 鐘に感謝 火事 口から泡を吹き出して火を消そうとした 蟹は焼かれても焼かれてもつぎからつぎと鐘楼をのぼって 蟹と炎のたたかい 一面の焼野原の中に寺の鐘楼だけが残って 何百という蟹が火の粉をあびて死んで蟹たちが命がけで鐘楼を守った 池の蟹 せなかが赤くなった | 川崎市 |
21 | 92 | 〃 | ふきふきほぐせ | 半原 お糸 糸繰り 息を吹きかけながら糸をほぐす | 愛甲郡愛川町 |
22 | 96 | 〃 | 鼻取地蔵 | 上作延(かみさくのべ) 里長(さとおさ) 馬 お寺の小僧 しろかき 延命寺 本尊の地蔵さま 足がどろだらけ | 川崎市 |
23 | 100 | 〃 | 三ッ石のぼんぼん鮫 | 真鶴半島 笠島 鮫の夫婦 漁師 鐘 常泉寺 | 足柄下郡真鶴町 |
24 | 106 | 〃 | 火の坂の狸 | 陽原(みなはら) 坂の上 ばさま 水車屋 狸菩薩 | 相模原市 |
25 | 110 | 〃 | 雉子稲荷 | 寒川 念宗寺 坊さん 狐 きじ 肉 | 高座郡寒川町 |
26 | 116 | 〃 | 天女と五頭竜 | 鎌倉 深沢 湖 五頭竜 山くずれ 洪水 火の雨 津村 水門 初噉沢(はつくらいさわ) 子死恋 腰越 欽明天皇十三年(553?) 大地震 高波 海底 大爆発 江の島 天女 洞窟 片瀬 竜口山 竜口明神(たつのくちみょうじん) 玉依姫命(たまよりひめのみこと) 六十年に一ど 巳年式年祭 弁財天 | 藤沢市 |
27 | 122 | 〃 | お夏ぎつねと孫三郎ぎつね | 披露山 雌狐 お夏 久木 雄狐 孫三郎 嫁入り 漁師 魚 小坪 | 逗子市 |
28 | 126 | 〃 | 天狗の神隠し | 篠窪 相模 天狗 道了尊 烏天狗 ご八 神隠し 三年 法事 相撲 備前徳利 | 足柄上郡大井町 |
29 | 130 | 〃 | 天狗沢 | 津久井 青野原 炭焼きのじさま 芝居が飯よりもすき 村祭り 役者 江戸の歌舞伎 村へ歩いて | 津久井郡津久井町 |
30 | 134 | 〃 | 五反田の乙女地蔵 | 伊勢原 大句 大地主 五反田 一日で田植え | 伊勢原市 |
31 | 138 | 〃 | 落武者ととうもろこし | 永禄年間 武田勝頼 北条の残兵 半原 経ケ岳 煤ケ谷 法論堂(ほろんど) とうもろこし 敵軍 待ち伏せ 自決 亡魂 たたり (永禄12年(1569)10月8日、「三増峠の戦い」) | 愛甲郡清川村 |
32 | 142 | 〃 | 夫婦岩 | 三浦 浜辺 若い漁師 紀州 旅行商 娘 夫婦 約束 来年の春 浜の岩 まちこがれ 病 帰らぬ人 晴れ姿の娘 娘がたおれていた | 三浦市、横須賀市 |
33 | 146 | 〃 | 鷲の育て子 | 鎌倉 油井の里 太郎時忠 長者 子どもがいない 仏さまに祈った 男の子が生まれた 金色の鷲 子をつかんで 飛び去った 奈良 覚明上人 金色の鷲が子どもをくわえて 猿 子どもをぶじに木からおろして 金鷲童子 奈良東大寺 別当 良弁僧正 再会 故郷 相模国 | 秦野市 |
34 | 149 | 伝説 | 日向薬師のやぶれ太鼓 | 善波峠 善波村 楠 村じゅうが木かげ 稲も麦も粟もちょぼっとしか取れない 楠をきる 太鼓作り 橋のかけかえ 太鼓 日向薬師のお堂 源頼朝 富士の巻き狩り 刻をつげる 海の魚 沖へにげて 須賀の漁師 魚がとれなくなって 太鼓の皮は破られてしまった | 伊勢原市 |
35 | 156 | 〃 | 善正坊の一しょい門 | 江戸時代の中ごろ 半原 馬渡 善正寺 善正坊 中津川 大洪水 大きな戸板 川の流れを変えた 怪力 馬渡河原 けやき 江戸城のふしん 清雲寺 馬渡坂 山門 一しょい 役人 やせんま せおい道具 一しょい門 | 愛甲郡愛川町 |
36 | 160 | 〃 | 沢尻の鬼六郎 | 西丹沢 沢尻 六郎 さむらい 橋のまん中でぶつかった 馬の前脚 後脚 二俵の米 さし上げた 大山の夏祭り 江戸の相撲 飛入り勝っ手 まわし もうそう竹をつぶして作った 大関 梅ケ岳 土俵 軍配 | 足柄上郡松田町 |
37 | 164 | 〃 | 金太郎 | 足柄平太夫の娘 八重桐 坂田蔵人 金太郎 大きな石を手まり 熊とすもう 源頼光 上総 渡辺綱 坂田公時 大江山 酒呑童子 十三人の娘を救い出した ふるさとへもどった | 南足柄市、足柄下郡箱根町 |
38 | 170 | 〃 | 源十郎 弥十郎 | 魚売り 狐 魚かご 狐を助けてやり 佐助ケ谷 大根 悪い病気 大金持ち おごりの心 公方 財産を取り上げられ 鎌倉から追放 乗合船 船は今にもしずみそう 宝を海へ投げ入れる 博多 腹太 腹の中から お金が 生まれ変わったつもり 弥十郎 御赦免 鎌倉へ帰る おごりをやめ よい行いをした | 鎌倉市 |
39 | 176 | 〃 | 小栗判官 照手姫 | 常陸国 真壁郡 小栗城 小栗孫三郎満重 足利持氏 謀反 横山大膳 妓女 照手姫 夫婦 賊 毒薬入りの酒 その場にたおれた 藤沢 遊行寺 大空上人 上野原 熊野 美濃の青墓 照手姫は尼に 遊行寺の焔魔堂 供養 | 藤沢市、横浜市、相模原市、津久井郡相模湖町 |
40 | 180 | 〃 | 虎御石 | 東海道大磯の宿 山下長者 高麗山のふもと 虎池弁財天 枕元 小石 女の子 虎女 細長い大きな石 曽我十郎祐成(すけなり) 五郎時致(ときむね) 仇 工藤祐経(すけつね) 敵が遠矢を射かけてきた 大きな石 矢を受けてくれた 身代わり石 文政 法華宗延台寺 番神堂(ばんしんどう) | 中郡大磯町 |
41 | 184 | 〃 | ばんばあ石 | ひでり 田名 八幡さま 雨乞い 一の釜 じんじい石 ザアーッと雨がふってきて | 相模原市 |
42 | 188 | 〃 | 水を飲みに出た竜 | 足柄上郡中井町井ノ口 米倉寺(ぺいそうじ) 左甚五郎 阿の竜 吽(うん)の竜 川へ水を飲みに 目に角釘 からだを切れぎれに | 足柄上郡中井町 |
43 | 192 | 〃 | 九頭竜明神 | 箱根 芦ノ湖 鑁字池 万字池 悪い竜 人を食う 人身御供 万巻上人 法力で竜をこらしめる 苦行 おかした罪をわびた 湖の底 逆さ杉 九頭竜になり山と村を守る 九頭竜明神 毎年三斗三升三合三勺の赤飯 湖底にしずめた | 足柄下郡箱根町 |
44 | 194 | 〃 | 精進ケ池 | 箱根の芦之湯 庄治 目の病 池のほとりに立って尺八を吹いていた 池の主の大蛇 たとえ自分は死んでも大ぜいの村人を助けよう 金物をつぎつぎ池に投げこんだ 死んだ大蛇 日和見坂でたおれていた 魚はすまなくなった | 足柄下郡箱根町 |
45 | 200 | 〃 | 影取池 | 藤沢宿 大鋸(だいぎり) 森 おはん 戸塚宿 村人の影が池にうつった 大蛇 鉄砲うち 影取池 鉄砲宿 | 横浜市、藤沢市 |
46 | 204 | 〃 | 小桜姫と小柳姫 | 座間 鈴鹿神社 渋谷高間 甲州上野原 報福寺 出家 父にすてられた小桜と小柳 お松 小桜を殺して 小柳は姉のあとを追って 相模川 大水 人柱 お松の土手 | 座間市 |
47 | 208 | 〃 | 姥山 | 福田村 境橋 小林大玄 山伏 糸 気が荒く 大酒のみ 山姥 毒を入れた酒 さがみなる福田の里の山姥は いついつまでも夫やまつらむ 供養 優婆尊尼(うばそんに) 下福田 蓮慶寺 子育てうばさま 糸がこもっていた山 姥山 | 大和市 |
48 | 212 | 〃 | 尼の泣き水 |
国分寺 相模川 漁師 国分尼寺の尼 魚がにげていってしまった 伽藍に太陽の光が当たり 火事 尼が火を放った 刑場のつゆと消えた 尼がほうむられた台地の下から なみだのようなわき水が 朝日さし夕日かがやく国分寺 いつもたえさぬ尼の泣き水 |
海老名市 |
49 | 216 | 〃 | 泣ケ原の地蔵 | 平塚 土屋 仲むつまじい若夫婦 お伊勢参り 大井川 川どめ 仲間がとめるのもふりきって川をわたり 中ほどでおし流されてしまった 雨がふっても風がふいても、若い妻は山道を通いつめ、高台の原に立って夫の帰りをまちわびて 帰らぬ人となっていた 地蔵を祀って供養した 泣ケ原 | 中郡大磯町、二宮町 |
50 | 220 | 〃 | 三ッ岩と撫子 | 花水川 唐(もろこし)の里 乙女 若者 唐の里を去る 別れの日 三ッ岩 いつの日か 必ず 帰ってくる 若者のことばを信じて待ち続ける乙女 心を残しながらあの世へ 三ッ岩をおおいかくした砂丘に撫子の花が一面に咲いて (*) | 平塚市 |
51 | 224 | 〃 | 乙女峠 | 箱根 仙石原のはずれ とめ 父親 病 御殿場口 地蔵堂 堂守 病気平癒 祈り 峠 とめは、ふり積もる雪にまみれてたおれていました 親孝行なとめ 力つきて一人きりで息を引き取った | 足柄下郡箱根町 |
52 | 228 | 〃 | 不知火の松 | 大師河原 母は娘が小さい時に亡くなり 海が荒れそう 父は、舟をこぎ出して 浜では、娘が父の帰りをまっていた 松明(たいまつ)をふり続け 吹雪の中で 松明をにぎりしめたまま娘が息たえており そばには、父がいたましい姿で 夜になると松のこずえに灯がともる 亡くなった父娘 | 川崎市 |
53 | 232 | 〃 | 線守稲荷大明神 | 東海道本線 国府津 酒匂川沿い 山北 御殿場 明治22年2月 駒の子 狐 工事 巣を追われた岩山の狐のしわざ 線路のわきで狐が 線守稲荷 正一位 大明神 | 足柄上郡山北町 |
*: 「更級日記」「もろこしが原にやまとなでしこも咲きけむこそなど人々おかしがる」。花水川下流、平塚側、撫子原、大磯側、唐ケ原。
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